簡単な観劇報告:宙組版・王家に捧ぐ歌(2)

まどか:れなです。報告が遅くなりましたが、前回の観劇から4週間を経た大劇場の宙組『王家』の簡単な感想記事を書きます。大好きな作品と劇場で再会する感動には、先月で慣れたと思って臨んだものの、開幕直後に比べれば宙組の皆さんがお芝居を深めているのは当然で、また新たな作品と出合ったように心が震えました。事実上主演トリオの一角を占めるアムネリス役の伶美うららさんは、重大な課題である歌唱時の力強さや安定性には多少の進歩が感じられる程度でしたが、ファラオの娘~エジプトの指導者としての威厳は十分で、私は納得です。

宝塚大劇場 宝塚歌劇団・宙組公演 2015年7月5日(日) 11時00分開演
 『王家に捧ぐ歌』 -オペラ「アイーダ」より- 脚本・演出:木村信司
 出演:朝夏まなと、実咲凜音、伶美うらら、真風涼帆、愛月ひかる、
    寿つかさ、美風舞良、一樹千尋《専科》、箙かおる《専科》 ほか


これが大劇場~東京宝塚劇場でのお披露目公演となる朝夏さんと実咲さんのコンビは、前回観劇時点で大満足の出来栄えだったので、余分な癖が付いて崩れるのが不安でしたが、完全な杞憂に終わって安堵しました。今のまま何もしなくても、東京に来れば各メディアでの大絶賛が連日繰り返されるのは間違いないですね。梅芸MHと赤坂ACTシアターでの第1作『TOP HAT』で、宙組の新体制お披露目を軽妙に飾り、2作目は現在の社会情勢にも通じるテーマを明確に伝えながら、愛し合う2人の姿で観客を泣かせるのですから、もはや無敵の印象です。

星組から異動で男役の2番手に入った真風涼帆さん(役柄はアイーダの兄)に比べて、愛月ひかるさん以下の序列の男役さんは力量面で明らかに見劣りする感想を抱いた前回でしたが、公演を重ねながら存在感を劇的に増していて、エジプト側の朝夏さん以外、エチオピア側の真風さん以外からは見事に脱していました。本来スター候補として華やかさを備えている皆さんなので、この超大作と自分自身の新しい立場に慣れて来れば、誰を観るべきか迷うくらい豪華な男役さんたちに成長して、星組『王家』初演の高い壁だって越えられるかも知れません。

宝塚大劇場での宙『王家』観劇は2度目限りで、次回以降は東京宝塚劇場に移ります。初演星組版と同じ役で再登場している一樹さんと箙さんも、感覚を取り戻したのか、或いは現在の自分に適した演じ方を探り当てたのでしょうか、開幕当初より格段に自信に溢れた演技になっていて、あれ程の経験を積み重ねた方々でも、稽古期間だけでは掴めない部分が大きいのだと実感出来ます。中堅~若手の皆さんは東京千秋楽まで、何段階も進歩するでしょうし、歌劇史上最高級の名舞台誕生も夢ではありません。とりあえずアムネリス様、歌をお願いします。